抜け落ちた風景 その4
数ヶ月が過ぎようとしていた。
ある日、彼女が
「長澤くん、今度のお休み
何か用事でもあるの?」
「いえ、部屋の掃除をするくらいで、
何もないです」
「そ、じゃ ちょっと付き合ってくれる?」
「ハイ、」
「朝、迎えに行くね〜」
やったぜ!明日はデートだ!嬉しくて
自然と顔がにやけてきた、宮崎さんが
「どうした?耕太郎、顔の締まりがないぞ」
「い . え、なんでもないです」
翌朝、僕は早々と起き、彼女を待った。
「おはよう」
窓下から、元気な声が聞こえた、窓を開け
「おはようございます!」
「あ、今 下に降りて来ます」
慌てて、降りてくと、薄いブルー花柄の
ワンピース姿の彼女、
制服姿を見慣れてるせいか、少し眩しく思えた、
「どうしたの?」
「イエ、朝日が眩しいなと思って、」
彼女は、ふーんみたいな顔をしていたが
「ね!今ね、お城の桜が綺麗だから
みに行こうよ!いいでしょう?」
ハイ!
バス停まで、話しながら歩いていたら、
途中、急に 彼女がクルッと振り返り、
「ねぇ、その敬語はやめない?」
「なんだか、おしゃべりしにくいなぁ」
「ハイ、」 「ほら、またぁ」
「うん、」 「よろしい!」
笑いながら答えてくれた、
「ねぇ、バスきたよー」