抜け落ちた風景 その3
もう 料理が並んでいて
6〜7人ほど、もう席に座り、話に花が咲いていた
「すいません、遅くなりました」
奥の方で、宮崎さんが手を挙げ、
「おう、待ってたよ」
「こっちに、座って」
「かたいことは抜きにして、まずは 乾杯しようか」
「じゃ、長澤くんようこそ!カンパーイ!」
"カンパーイ‼︎"
グラスの音がして始まった。
僕の右隣に、座っていた女性がビールを、
すすめてくれる、
「どうぞ」
「すいません、ありがとうございます」
この時初めて、慶乃(よしの)に、出会った。
涼しげな目元で、肩より少し長めの髪は
ゆるいウエーブがかかり、ニコッと微笑んで、
ビールを手にしてた。
(あくまでも参考写真です)
僕は見た瞬間に、雷に打たれたような 、
ショックを受けた思いがして、
周りの景色が色あせて見えた。
「どうしたのですか?顔が赤いですよ」
グラスに注いでもらいながら
「ありがとうございます、あまりお酒は
強くないものですから」
彼女が「そうですか?ところで、此方は 初めて?」
「あ ハイ、初めての土地で、わからない事ばかり
です。」
口が カラカラに乾くのがわかった。
「じゃぁ、私が、色々案内してあげますね、」
「私、1階レジ担当の 山田慶乃といいます、
よろしくね」
これから先の会話は、何を言ったか覚えて
いないくらい、舞い上がっていた。
それからは、彼女が何とか、気に掛けて、
色々と手助けを、してくれたお陰で、
徐々にではあるが、スタッフ、街にも
溶け込んでいけた。
お読みいただき、ありがとうございます、 よろしければ
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